ヴェスパー
ARCANA第七席にあたる七星の執行者。特殊作戦と次元潜航を担う。ARCANA第七席にあたる七星の執行者。特殊作戦と次元潜航を担い、ルーメが表立って行えない任務を引き受ける影の守護者。
- 分類
- ARCANA
- 所属
- エルセナード
- 役割
- ARCANA第七席
- 身長
- 162cm
COSTUME

人物
ヴェスパーは、ARCANA第七席にあたる《七星》の一人である。
特殊作戦、地上工作、秘匿情報の回収、危険技術の封鎖、次元潜航など、通常の艦隊や組織では対応できない任務を担う。第七次元潜航艦隊を率い、存在を公にできない脅威や事件へ対処する特務担当である。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 個体番号 | ARCANA-VII |
| 身長 | 162cm |
| 称号 | 薄暮の執行者 |
| 担当 | 特殊作戦、地上工作、秘匿任務、次元潜航 |
| 艦隊 | 第七次元潜航艦隊 |
| 自艦 | ZRF-SSXD-07《ノクティルカ》 |
薄暮の執行者
ヴェスパーの任務は、単純な戦闘や敵の排除だけではない。
敵対組織への潜入、秘匿監視、危険技術の回収や破壊、異常が発生した拠点の封鎖、重要対象の緊急回収など、存在を公にできない任務を担当する。状況によっては、暴走した眷属や危険な計画を止める役割も持つ。
命令に従うだけの処刑装置ではなく、命令や計画が誤っていると判断すれば、周囲から反発されることを承知で介入する。
性格
寡黙で落ち着いており、任務中は必要なことだけを短く話す。感情を表へ出すことは少なく、危険な状況でも冷静さを崩さない。実行すべきことを見定めれば、周囲からどう思われるかにかかわらず行動する。
他者を理想化せず、弱さや迷い、失敗まで含めて見る現実的な人物でもある。相手が取り繕っている時にも遠慮なく見抜き、必要であれば厳しい言葉を返す。一方で、自分自身の安全や幸福を軽視しやすい。危険な任務や汚れ仕事を引き受けることを当然と考え、自分が無事に帰ることを任務の条件へ含めない危うさを持つ。
姉妹との関係
エリュシアとは、危険への対処方法をめぐって意見が分かれやすい。
エリュシアが対象を安全な場所へ退避させ、危険そのものから遠ざけようとするのに対し、ヴェスパーは当事者の選択を認めたうえで、被害を抑えるために介入しようとする。
リュカとも方法は対照的である。リュカは、関係者同士が協力を続けられるよう調整する。ヴェスパーは、危険が広がると判断した場合、原因となる対象を隔離し、必要なら計画や設備の一部を停止する。
ネタバレ
リリィの過去
ヴェスパーの本名は、リリィである。
古代魔導国の辺境の村に生まれ、孤児院で育った後、教会へ引き取られた少女だった。本来は見習いシスターとして生きるはずだったが、人攫いに遭い、暗殺者ギルドへ売られる。そこで隷属魔法を掛けられ、命令に逆らえない暗殺者として使われた。
リリィは人を殺すことに向いた少女ではなかった。罪悪感に耐えながら任務を続けるため、祈ることをやめ、殺した相手の名前を覚えず、自分自身を意思のない道具として扱うようになった。
アーカイアス暗殺
魔導国上層部は、メガリス・コーン理論を公表しようとするアーカイアスとルーメを排除するため、リリィを第一魔塔へ送り込む。
リリィは隷属魔法に逆らえず、ルーメの代理構成体を殺害する。その姿を借りてアーカイアスへ近づき、彼を暗殺した。任務完了後には、自らも命を絶つよう命じられていた。しかし、死の直前に現れたルーメは、彼女を単なる被害者として許すことも、そのまま死なせることもしなかった。リリィは、ここで死ぬか、ルーメの側で生き続けるかという選択を与えられ、後者を選ぶ。
ルーメはリリィの魂を持ち帰り、ARCANA規格の身体を与えた。時間断層から帰還した際に《ヴェスパー》と名づけ、ARCANA-VIIとして姉妹たちへ迎え入れる。
リリィとヴェスパー
《リリィ》は、彼女がまだ祈ることしか知らなかった頃の名前である。《ヴェスパー》には、夕べ、薄暮、夜へ向かう時間、そして祈りという意味が込められている。
アーカイアスを失い、魔導文明を終わらせる道へ進もうとしていたルーメにとって、ヴェスパーは夜の始まりに側へ残った存在だった。その名は罰だけでなく、祈ることを失ったリリィへ新しい祈りを与える意味も持っている。
普段のヴェスパーは本名を使われたがらない。ルーメから「リリィ」と呼ばれると任務中であることを理由に否定するが、耳や頬には反応が表れる。
ルーメとの関係
ヴェスパーは、ルーメを絶対に正しい創造主として崇めてはいない。弱さ、迷い、身勝手さ、失敗まで含めてルーメを見ており、本人が取り繕っている時にも遠慮なく見抜く。他のARCANAがルーメを創造主、母、主として仰ぐ中で、一人の不完全な人物として向き合うことができる。
ルーメを守り、本人が背負いきれない仕事を引き受け、必要であれば嫌われる。ルーメの判断が誤っていると考えれば、それを止めることも自分の役目だと認識している。しかし、自分がルーメから守られることや、幸福を与えられることは想定していない。役に立ち続けることだけを、自分が側にいる理由にしようとする。
ルーメのために死ぬ覚悟を持ちながら、ルーメの隣で生きることには許可が必要だと考えている点が、ヴェスパーの危うさである。
エリュシアとの対立
エリュシアとは、ルーメを守る方法をめぐって対立しやすい。エリュシアは、ルーメを傷や罪から遠ざけ、心の平穏を守ろうとする。ヴェスパーは、ルーメが自ら選んだ道を進めるよう、その過程で生じる危険や汚れ仕事を引き受けようとする。互いの方法には反発しながらも、どちらか一方だけではルーメを守れないことは理解している。
ノクティルカ革命と《アイオーン》
ノクティルカ革命では、ヴェスパーが始源機《アイオーン》へ搭乗する。革命軍中枢へ突入したステラの《ヴァルグラン改二》と交戦し、戦闘能力だけを失わせることで、ノクティルカとステラが直接対話できる状況を作った。
その後、魔導国が《カンパネラ》を発射すると、ヴェスパーは《アイオーン》の偽装外装を解除する。ルーメを機体へ迎え、ノクティルカの歌に合わせて《ニュートラライザー》を調律し、砲撃を空中で無力化した。D2計画では、《アイオーン》の中核制御と局所調律を担い、リュカが行うソムニア群の広域調律を支えた。
二人の本当の関係
ヴェスパーは、アーカイアスを奪った暗殺者であると同時に、ルーメが最も孤独だった時に側へ残ることを選んだ人物である。
ルーメにとってヴェスパーは、自分の罪や失敗を知ったうえで、それでもそばに残った人物である。ヴェスパーにとってルーメは、罰を与える主であると同時に、死ではなく生きることを選ばせた人物でもある。
二人は互いへの感情を、長い間、忠誠、責務、贖罪、信頼として扱っている。どちらも相手の側にいたいという願いを、恋愛感情として自覚していない。
ヴェスパーの課題は、ルーメのために死ねると証明することではない。罰として側に置かれているのではなく、自分が罰として置かれているのではなく、自分の意思でルーメの隣にいると認める必要がある。役に立てるかどうかに関係なく、自分も生きていてよいと受け入れることが成長の課題となる。
