ステラ
魔導騎鎧《ヴァルグラン》の操縦者。感情を大きく表には出さないが、人々を救うため誰よりも早く前へ出る魔法使い。
- 分類
- 古代魔法文明期
- 所属
- 首都魔法学園/第一魔塔
- 役割
- 生徒/操縦者
- 身長
- 164cm
人物
ステラは、古代魔導文明アルカディアに生きた平民出身の魔法使いであり、『静星のアストラレイン』の表側の中心人物である。
ジト目と感情の読み取りにくい表情が特徴で、普段は口数も多くない。しかし、困っている人を見れば迷わず手を差し伸べ、危険な場面では誰よりも早く前へ出る。
生まれつき高い魔力素養を持つが、それだけに頼らず、努力によって首都魔法学園への入学を勝ち取った。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出自 | 平民 |
| 身長 | 164cm |
| 得意分野 | 実戦魔法、近接戦闘、機体操縦 |
| オリジナル魔法 | 《アステロイド・ブレイカー》 |
| 主な搭乗機 | 《ヴァルグラン》系列 |
| 主な関係者 | ルーメ、ベル、アーカイアス |
幼少期
ステラの故郷は、マナイーターの襲撃によって壊滅した。
マナイーターは魔力素養の高い者を好んで捕食する。村で高い素養を示す色付きの髪を持っていたのがステラだけだったため、生存者たちは彼女が怪物を呼び寄せたのだと考えた。両親と兄弟を失ったステラは、生き残った住民からも見放され、離れた街の孤児院へ預けられる。
ステラは悲しみや不満を表立って口にすることなく、孤児院では自分より幼い子どもたちの面倒を見ながら、生活と魔法の勉強に励んだ。居場所を失った者を放っておけず、自分にできることを黙って続ける姿には、後に多くの人々を救う彼女の資質がすでに表れていた。
ベルとの出会い
ステラが暮らす孤児院は、その土地を治めるベルの両親が運営していた。当時のベルは、地方貴族家の末娘として甘やかされ、色付きであることにも強い自負を持つ、高飛車な少女だった。孤児院での奉仕活動を避けていたが、両親に叱られ、しぶしぶ同行した際にステラと出会う。
ベルは初めて見る同年代の色付きに興味を持ちながらも、平民の孤児として見下し、つっかかっていった。ステラはベルの身分にも気迫にも動じず、感情的に言い返すこともない。ただ正面から受けて立ち、こてんぱんにする。
ベルにとって、それは大きな屈辱であると同時に、初めて抱いた憧れでもあった。家名も身分も恐れず、過酷な境遇でも折れないステラの強さに惹かれ、以後は何かと彼女へ張り合うようになる。やがてステラが実力で魔法学園への入学を勝ち取ると、ベルの憧れは恋情へ変わっていった。
学園期
首都魔法学園へ進んだステラは、ベルとともに、異界の機械文明に関する知識を持つルーメと出会う。ルーメが熱心に語るロボットや物語にも、ステラは大きな反応を示さない。しかし否定したり遠ざけたりすることもなく、静かに耳を傾け、ときおり素朴な疑問を返した。
ルーメにとってステラは、自分の知識を珍奇な啓示としてではなく、一つの夢として受け止めてくれた最初の友人となる。
三人は、ベルの実家に保存されていた旧式の古式魔導騎鎧《ヴァルグラン》を発見する。ルーメが設計と制御、ベルが素材と創造魔法、ステラが操縦と実戦評価を担当し、魔法が通じない環境でも人を守れる機体を目指して改修を始めた。
ステラは完成した力を与えられただけの操縦者ではない。実際に機体へ乗り、二人と試行錯誤を重ねながら、《ヴァルグラン》を三人の機体として作り上げていった。
性格
感情を大きく表へ出さず、普段はジト目と淡々とした態度が印象的である。喜怒哀楽が乏しいわけではないが、それを表情や言葉にすることが少ない。嬉しい時にはわずかに表情が和らぎ、怒っている時も声を荒らげるより、低い調子で短く言葉を返す。
一方、他者への思いやりは行動にはっきりと表れる。頼まれなくても年下の面倒を見て、困っている者がいれば自然に手を貸す。危険な状況でも大仰な決意を口にせず、自分が必要だと判断すれば静かに前へ出る。
マナイーター襲撃戦
首都へ老成マナイーターが襲来すると、周囲のマナが乱され、都市防衛術式や通常の魔法が機能しなくなる。
ステラにとってマナイーターは、家族と故郷を奪った存在でもあった。それでも復讐ではなく、首都の人々をかつての村と同じ目に遭わせないため、研究室で改修中だった《ヴァルグラン改》へ乗り込む。
ルーメとベルが突貫で用意した《導励穿杭・零式》を敵へ打ち込み、その通路から《アステロイド・ブレイカー》を体内へ流し込むことで、老成マナイーターを撃破した。この戦いによって、魔法が成立しない環境でも、人が機体に乗って戦えることが証明される。
英雄としての利用
首都を救ったステラは英雄として広く知られるようになる。しかし魔導国上層部は、ルーメとベルの研究成果や襲撃の背景を伏せ、ステラ一人を国家の象徴として利用した。第一魔塔主アーカイアスだけは三人の働きを正しく評価し、ステラ、ベル、ルーメを第一魔塔研究室へ迎える。
ノクティルカ革命
アーカイアス暗殺後、ルーメはノクティルカとして魔導国へ反旗を翻す。ステラは魔導国上層部を全面的に信じていたわけではない。それでも、革命によって戦火へ巻き込まれる市民を見捨てることはできず、《ヴァルグラン改二》で革命軍中枢へ向かう。
そこでヴェスパーの《アイオーン》と交戦し、機体の四肢を切断されて敗北するが、コクピットは破壊されずステラとベルの命は残された。その後、ステラはノクティルカの正体がルーメであることを知り、世界を救うため魔法文明を終わらせようとする彼女と向き合う。
D2計画後
D2計画によって大陸の崩壊は止まったが、マナに依存していた社会基盤は停止した。ルーメは《ヴァルグラン改二》を非マナ駆動機《ヴァルグラン・ルミナリス》へ改修し、ステラとベルへ託す。
ステラは機体に乗って避難民の保護、瓦礫の撤去、治安維持、救助活動を続けた。ベルは残された技術を解析し、照明、輸送、医療、動力などの生活基盤へ応用していく。《ヴァルグラン》は、怪物を倒すための機体から、魔法を失った世界で人々を救う機体へ役割を変えた。
後世の伝承
ステラがD2後も人々を救い続けた記録は、長い年月の中で、ノクティルカにまつわる《救済の魔女》の伝承と混ざっていった。しかしステラ本人が魔女や英雄を名乗ったことはない。故郷を失った幼少期から文明崩壊後まで、彼女が選び続けたのは、目の前にいる人へ手を伸ばすことだった。
